イタリアの有名なワイン産地のご紹介

1.ロンバルディア州
ミラノから車で約1時間のところにあるパヴィア県Oltrepò Pavese。ミラネーゼたちのデイリーワインがたくさんつくられています。土着品種のCroatinaやBarberaなど、しっかりボディの赤に加え、国際品種のRieslingやPino Neroまで、バラエティに富んだコスパのいいワインが見つかります。温暖なイゼオ湖の近くでは、瓶内二次発酵でつくられる優美な※1DOCG Franciacortaが秀逸。なかでも白ブドウのみでつくられた、デリケートな泡立ちのBrut Satènは、ぜひ飲んでおきたいスパークリング・ワインです!
2.ピエモンテ州
世界遺産に登録されている、クーネオ県の息をのむような美しいいブドウ畑では、イタリアの偉大な赤ワインDOCG BaroroとDOCG Barbarescoがつくられています。どちらもNebbiolo種100%。名前の由来は、冬によく発生する深い「Nebbia(霧)」から来ているとか。超熟ワインなので、なるべく古いヴィンテージをお試し下さい。ロンバルディア州に近い、州の南東に位置する※2 DOC Colli Tortonesiでは、日本ではあまり知られていない、パワフルで長期熟成に耐える貴重な白ワインに出会えます。印象的な香りを持つTimorasso種は、美しいミネラル感が魅力。どれも白トリュフと合わせたいワインです。
3.ヴェネト州
ヴェローナの北にある美しい丘陵地帯では、数種類の陰干ししたブドウからDOCG Amarone della Valpolicellaがつくられています。凝縮感溢れるフルボディの赤ワインは圧巻。その東でつくられているDOC Soaveも有名な白ワイン。とくに、昔からGarganega種が植えられている火山性土壌のClassico地区のものを選ぶと、驚くほど熟成するミネラル感たっぷりのソアーヴェに出会えます。さらに東のトレヴィーゾ県では、世界的に有名なイタリアのスパークリング・ワインDOCG Conegliano Valdobbiadene Proseccoが生産されています。フルーツやお花の香り漂うGlera種でつくられるプロセッコは、アペリティーヴォに最適!
4.フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州
アドリア海とアルプスの影響を受けるこの州では、酸味の効いたRibolla Gialla種やほろ苦い後味のFriulano種など、辛口の白ワインが数多く生産されています。甘口派の方には、ウーディネ県にあるDOCG Colli Orientali del Friuli Picolitがおすすめ。ピコリット種は果粒がとても小さくまばらで、それをさらに陰干しする大変稀少なワインです。この州はいま話題の※3 オレンジ・ワインのメッカでもあるので、多くの優れたつくり手たちに会って、個性的なオレンジ・ワインを試してみてはいかがでしょうか?
5.トスカーナ州
フィレンツェからシエナに広がる滑らかで美しい丘陵地帯では、「Gallo Nero(黒い雄鶏)」のマークで有名なDOCG Chianti Classicoがつくられています。シエナ県モンタルチーノでは、貫録ある重鎮DOCG Brunello di Montalcinoが、モンテプルチャーノでは、より優しい口当たりのDOCG Vino Nobile di Montepulcianoが優雅に迎えてくれます。すべてメインに土着品種Sangiovese種を使っていますが、クローンや※4 テロワールの違いによって、ワインのキャラクターも変わってくるところが面白いところ。昔の規制にとらわれずにつくられた、「スーパータスカン」と呼ばれるモダンなワインも世界的に有名。
6.ウンブリア州
イタリア半島の中央に位置するこの州は、海に接してはいませんが、水に恵まれた緑豊かな美しい丘陵地帯が続いています。北のペルージャ県でぜひ飲んでおきたいのがSagrantino種100%のDOCG Montefalco Sagrantino。タンニンの強い風格のある長命ワインは、地元のジビエ料理などと合わせて頂きたい濃厚な赤ワイン。より柔らかさが欲しい方は、同じくペルージャ県でつくられているDOC Montefalco Rossoがおすすめ。こちらはSangiovese種をメインに、サグランティーノ種などの黒ブドウを加えた、森のフルーツがたっぷり香る飲みやすい赤ワインです。Trebbiano Spoletino種を使ったフレッシュな白ワインや、この品種でつくられるオレンジ・ワインも要チェック!
7.カンパニア州
ナポリやカプリ島のあるカンパニアというと「夏の海」をイメージしがちですが、内陸のアヴェリーノ県イルピニア地方などの火山性土壌丘陵地帯は、標高が高く、昼と夜の気温差も激しいので、ブドウ栽培にとても適しています。ここでは、タンニンの強いAglianico種を使った「南でもっとも重要」と謳れる長期熟成赤ワインDOCG Taurasiがつくられています。さらに、酸味がキリリと効いた清々しいDOCG Fiano di Avellinoや、豊かなフルーツを想わせるDOCG Greco di Tufoといったハイクオリティな白ワインも見逃せません。
8.ラツィオ州
ティレニア海とアペニン山脈に挟まれたこの州には、ブドウ栽培にとても適した火山性土壌の丘陵地帯が多く、たくさんの興味深いワインに出会うことが出来ます。とくに注目したいのは、DOCG Cesanese del Piglio。スパイシーで貫録のある魅力的な赤ワインは、ローマ県とフロジノーネ県で生産されています。そしてローマの南東にあるアルバーニ丘陵でつくられる有名白ワインといえばDOC Frascati。一般的にシンプルで飲みやすいワインが多いなか、優秀なつくり手のモノは、火山性土壌を見事に反映したミネラル感溢れる美しい酸と複雑味を兼ね備えています。
9.マルケ州
南北に延びるこの美しい州では、印象的なミネラルをもつ土着品種、Verdicchioメインのワインに注目です。アドリア海に近いDOCG Castelli di Jesi Verdicchio Riservaと、内陸でつくられるDOCG Verdicchio di Matelica Riservaの両方を飲み比べてみると、テロワールの違いを実感することができます。港街・アンコーナ周辺の丘陵地帯ではDOCG Coneroをお試しください。丸くて存在感のあるタンニンをもち、赤い実のフルーツがぎっしりと詰まった飲みごたえのある赤ワインです。さらに、ここでつくられるスミレ香のする華やかなLacrima種も印象に残る1本に。
10.エミリア=ロマーニャ州
東西に広がるこの州は、州都ボローニャの西側「エミリア」と、東側の「ロマーニャ」で、まったく個性の異なるワイン文化を体験することができます。きりりと冷やして飲む赤やロゼの微発砲性ワインLambruscoはエミリアを代表するワイン。多くの亜種が存在し、ほんのり甘口から辛口まで、お手頃価格で手に入ります。いっぽう、DOC RomagnaのSangioveseは、熟成するにつれて洗練されていく興味深いワインです。さらに忘れてならないのは、イタリアの白ワインでいちばん初めにDOCGを獲得したDOCG Romagna Albana。甘口や辛口があるので、こちらも幅広く選ぶことができます。
11.プーリア州
東はアドリア海、南にイオニア海を臨む南北に長いこの州は、冬も温暖な地中海性気候に属しています。中央の内陸部にあるバリ県でつくられるDOCG Castel del Monte Nero di Troia RiservaのNero di Toroia種や、Negroamaro種もしっかりとしていて飲みごたえがあり、タンニンがスムーズで親しみやすい赤ワインです。タラント県やブリンディジ県などで栽培されている黒ブドウPrimitivo種を使ったワインは、辛口と甘口、どちらも試す価値あり。さらにこの州では、摘みたてのイチゴやチェリーの香りをもつパワフルなロザート(ロゼ)もよく飲まれています。
12.サルデーニャ州
北東部にあるガッルーラ地方の丘陵では、独特の塩気をもつDOCG Vermentino di Galluraがつくられ、魚介類を使った地元料理と素晴らしいマリアージュを奏でます。ティルソ川に近い西側のオリスターノでは、酸化熟成させたシェリーを想わせるナッツ香を伴った超熟白ワインDOC Vernaccia di Oristanoがつくられています。こちらはカラスミ料理とベスト・マッチ!州全体で栽培されている黒ブドウCannonau種は、サルデーニャの代表品種。柔らかなタンニンをもった、濃厚な赤ワインをぜひお試し下さい。
13.シチリア州
イタリア最南端の海に囲まれたシチリアには、近年、多くの醸造家たちが注目している話題のワインDOC Etnaがあります。カターニア県エトナ山近辺の火山性土壌で育つ黒ブドウ、Nerello MascaleseやNerello Capuccio種などからつくられ、南のワインとは思えないくらい優しい色合いをもった、繊細で優美な赤ワインです。白もまた、CarricanteやCatarratto種など、テロワールから来る複雑なミネラルと優しい香りを持っています。シチリアを代表する黒ブドウNero d'Avola(Calabrese)種や、鮮やかな芳香を放つFrappato種もおすすめ。
※1 統制保証原産地呼称
※2 統制原産地呼称
※3 赤ワインのように、白ブドウを皮や種といっしょに漬け込んでつくるので、オレンジ色を帯びた濃い色合いに。複雑味があり、タンニンも感じられます。
※4 その土地の土壌や気候、地形など、とりまくすべての環境
紹介者:ソムリエ プロフィール

ソムリエ歴:2003年AISソムリエ取得
・プロフィール:日本の雑誌社で女性誌編集者として「CAZ」、「Junie」、 「ESSE」を担当し、ワインや料理、ファッション特集などを手掛ける。その後イタリアに渡り、2003年A.I.S.(イタリア・ソムリエ協会)のソムリエ資格を取得、その後プロフェッショナル・ソムリエに認定。 星付きレストラン『Il Luogo di Aimo e Nadia(イル・ルオゴ・ディ・アイモ・エ・ナディア)』、 『Osteria Del Binari』などのレストラン、Rinascente Milanoの『YN Vineria』、フランス・ワイン専門店『Comptoir de FranceMilano』などのエノテカで働き、ソムリエとしての経験を積む。 『Excelsior Enoteca Eat’s Milano』の店長を経て、2014年12月、ミラノで日本人初となるエノテカのオーナー・ソムリエとして、同僚のソムリエA.I.S.公式テイスターのSebastiano Baldinuとともに『EnotecaWine』をオープン。
・ご自身ブログ:https://ameblo.jp/kiyomi-yoshida
・EnotecaWine:https://www.facebook.com/EnotecaWine